底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

橋下徹vs在特会・桜井誠 の対談を全部見てみた。

ネットニュース等では桜井氏の圧勝?とか、橋下氏に非難殺到、とか、相変わらずメディアは橋下批判に一生懸命なので(まあ、それも燃料なのかもしれないが)どんなもんだか見てみた。

結果、橋下氏の言っている事の方が正論であり、在特会側の主張がいかにヤバイか、ということが浮き彫りになった内容であった。主旨をまとめると

 

橋下氏:民族を一括りにして差別的発言を大阪でするな(表現の自由で収まる範囲で言いなさい)

桜井氏:何がいけないのだ。我々は当然の権利を主張しているのだ。

 

これに尽きる。橋下氏はある意味見事だった。桜井氏が何度も言葉尻を捉えて詰め寄るシーンがあったのだが、橋下氏は徹底的に無視していた。もし、具体的反論しても、結局、上記のような話になる。そうなると橋下氏が開いた会談の主旨が分散してしまい、彼を叩く事が楽しい記者は「橋下氏、在日特権を擁護か?」とか頭の悪い民衆を煽る文章を書く隙を与えてしまう。冒頭で相手を煽って感情的にさせたのも見事。中盤からはほぼ冷静な橋下氏に対して、ずっと怒鳴りちらす桜井氏、という印象が残った。まさに海千山千の対話技術だ。そして、橋下氏は自分が言いたい正論だけを残して去る。その内容とは

 

・先の通り、民族を一括りにして差別的発言をするな

最高裁でどうなるかわからないが、その発言内容は高裁でも人権に対する差別的発言として認定されているわけだから、どうしても主張したいのであれば、言論の自由の範囲内でやりなさい

・法律や仕組みに不満があるのであれば、政治家に訴えて変えてもらうなり、自分達が支持者を集めて政治家を作って変えるなど、支持者が多数なのであればいくらでも現在の民主主義システムで対応可能なので、不満のあるシステムを変えたいのであれば、ヘイストスピーチを繰り返すのではなく、具体的に変える事が出来る行動に出てみては

 

なんとシンプルな。以上の3つの事を公の場で在特会側の目の前で主張することが今回も目的だったのだろう。顔を合わせない意見交換だと、発言内容を正確に起こしてのやりとりで無い限り、言葉尻を捉える反論の応酬になりがち。映像でも、恣意的に切り取られて伝わりにくい。この正論に対する反論などあるわけがない。逆転するには、まさに橋下氏の言う、民主主義にのっとった主張、行動をするしかなくなる。つまり、現在は反民主主義状態である、という烙印を押されてしまったのと同様なのだ。見事な横綱相撲。

 

なので面白いのが橋下氏を批判する人の内容だ。大きく2つ。

・政治家なのにあの態度(口のききかた含む)がなっていない

・一方的に退出するのはいかがなものか

である。まず態度であるが、これはまさに子どもの主張と同レベル。政治家はこうあるべきだ、という自己認識の範囲内での指標を当てはめたいだけ。本来大事なのは業務遂行能力と結果であり、こういった表層など関係ないのだ。こういうのをいちゃもん、という。そんな人達が多いから公職選挙法違反者や政治資金規正法違反者でもずっと議員でいれるのだ。犯罪者でも表面的に完璧な政治家であって、自分達に得がるのであればそれで受け入れるのだから。

途中退出については、ベストタイミングだった。橋下氏は言いたい事はすべて言ったし、桜井氏とは議論が平行線になるのは明白だったし。

 

もし、周囲にこの会見を見て(もしくは偏向報道のみの判断で)橋下氏を批判する人がいたら、決して反論してはいけない。聞き流すことをオススメする。そして、(あ、こいつ、やばい)、と覚えておこう。喧嘩になる可能性大だから。