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底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

イスラム国の邦人殺害予告と身代金要求に対してネットでは

単なる日記

相変わらず「自己責任」と言う人がいる。それがマスの意見がどうかわからないが、調べうる限り、2億ドルを払う価値は無い、という意見が多いように見える。

 

私はそもそも上記の内容でネットが盛り上がる事が理解出来ない。去年拘束された湯川遥菜さんの安否確認と取材を兼ねて潜入した戦場ジャーナリスト後藤健二さんが拘束されている、というのは言論の自由に対する冒涜である、という意見が出ないのは先進国の中で言論の自由のレベルが低い日本ならではの現実ではあるが、今回、イスラム国が手札を切ったのは安倍首相が2億円の支援金の用意があると発言したからだ。つまり、日本はイスラム国が起こしている戦争に参加する、と表明した事なのだ。

 

マイケル・ムーアの「華氏911」という映画の中で、監督が議員を待ちぶせし、「まず、戦争に賛成している議員の子供を戦場に送るという用紙にサインを」と迫るシーンがあった。この映画のせいではないが、そもそもアメリカ国内では自国に直接関係の無い(もちろん利害関係なのだが)戦争でアメリカ国民が死ぬ事に抵抗があった。それが911で兵士以外も犠牲となり大きく言論を動かした。ハイテク戦争などと呼び、少ない犠牲をアピールしていてもやはり兵士は亡くなる中、一般国民まで犠牲になったわけだ。そしてアメリカは現場最前線兵士は傭兵にし、ハイテク装備のアメリカ兵士は救出や特殊任務のみにあたるようにした。アメリカの戦争にアメリカに関係の無い金で雇われた人間が戦う、というまさに国家ではなく資本主義らしい戦争の形が出来上がった。つまり、金さえあれば海外で戦争は出来るのだ。

 

日本は2億ドルの支援の用意がある、と表明してしまった。つまり、戦争に参加する、と表明したのだ。今の時代、戦争に参加するのに自国の国民、軍隊を出す事だけが必須条件では無いのだ。日本は中立国ではないので戦争に参加する事もあるだろう。しかし、その結果、アメリカで911が起きたように、今回民間の邦人がテロの対象になった。この事が重要なのだ。

 

「おい、それおかしいだろ。憲法第9条戦争放棄をうたっているのだから、憲法違反だろ」という人はもはや勉強不足としか思えない。第9条は「国権の発動 たる戦争の放棄」をしているだけだ。つまり、今回は金は出す(戦争に参加する)が、権利は求めない、という事。もちろん、それなりの見返りは求めるが、そ れは手数料のようなモノでなおかつ、一部の人が儲かる事なので日本国は関係ない、つまり私権であり国権ではない、と解釈出来るのだ。むしろ、金=戦争、と いう現実を認識していない層には金を出すのは同じく9条にある日本が「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」する手段だ、とも匂わす事が出来るの だ。よく出来た条文だ。なので人道的支援金などと言う逃げ口上まで用意している。目的税であった東北災害復興支援金を日本全国で使ったりする日本に住んで いれば、そんな支援金が「人道目的にしか使われない」などというファンタジーを信じる人がいるとは思えないが、それが意外と信じる大人は多数存在する。

 

イスラム国も今や過激派宗教団体というよりは傭兵軍団である。この傭兵達は金目当ての人もいるだろうが、社会ヒエラルキーの底辺で出口の見えなく苦しんでいる世界中の若者を魅了する部分もある。日本でも就職に失敗した事がきっかけとなったとされる若者がイスラム国入国を目指した、という報道もあった。これから日本はさらに格差社会になる。底辺層が増える一方、既得権益層は潤う。果たして、パワーのある底辺層の若者はそのエネルギーをどこに向けるのか。全員がyoutubeで反社会的行動をUPする事や、ネットで罵詈雑言を浴びせる事で収まるぐらい精神的に弱っているとは限らない。つまり、日本人でもイスラム国入国を目指すパワーのある若者が増える事も予想されるのだ。

 

色々書いたが、少なくとも「日本は大々的に戦争参加を表明した」という事だけは全有権者は認識しておいて欲しい。そして、そういった為政者を選んだ以上、それで得する一部の人がいる一方、国民はそれ相応の対価を支払う事になることも覚悟する必要があるのだ。