底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

スキマスイッチのハタハタ炎上がよくわからない

まず、情報が錯綜していて何が本当の事なのかがわからないので正確な判断はしかねるが、ライブでのMCの書き起こしというモノを見ると、店をdisっている、と思われる部分は以下。

 

①ハタハタは三匹くらい食べたかったが出てきたのは一匹。

②鍋、すき焼きは女将が均等に取り分ける方式なので自分達の自由に食べれなかった

③野菜残っているのに下げようとするので聞いたら、「肉がもう無いので」と答えられ

④(出される料理が)全部がもっと食べたい、という量で終わってしまう。

⑤昨晩は津ねやに行った。

 

で、私がどう思うか、というと

①そういうコースか。三匹も食べたかったのか。

②この店、高級店だな。

③きっちり均等に配膳する店なんだ。

④料亭系のコース料理ってこういう事多いよね。

⑤行った店の名前。

という事で、何が店批判なのか全然わからないのだ。ここに尾ひれがついて、店の娘とされている人がツイッタースキマスイッチのMCへの不満を言った、となっているが、この垢が本当に娘かどうか削除されてしまった今、本当の所がわからない。また、ライブにいったファンがわざわざ店に「MCでdisられていましたよ」と報告した、というのもある。それで一気に炎上が加速。40分遅れで到着し、15分遅れで店を出た、という事や、コース値段の割引要求をスタッフがしていたという事まで書かれるようになった。

 

では、スキマスイッチの発言を敢えてdisりとしてみよう。

・店名を出して量が少なかった、と批判

・ライブ会場にいた人が店に報告

で、店側はどういう反応になるのだろうか。本当にショックを受けるだろうか。私はそうは思わない。なぜなら、店側は利益率を知っているからだ。そして、コース上代を維持する為に卸値が上下する原材料費よりも原価固定のサービスを付加して料金を設定しているからだ。なので、量が少ない、と言われてどう思うか、というと

「そりゃそうだ。全員が腹いっぱいになるような量じゃ利益でねぇよ」

という事。当たり前の事を言われて「ショック!」なんてなるわけがない。高級店は利幅で稼ぐ。そこで勝負などしていないのだから。逆に大衆店などは原価を削って安かろう不味かろうを量でカバーする事もあり、炭水化物祭りになる。狭い利幅を予約数や回転数、人件費削減等で賄うのだ。ビジネスモデルが全然違う。なので、尾ひれの店の娘がツイッターでつぶやいた、というのは眉唾ものだ。

また、遅れて到着についてだが、私も結構長く飲食店でバイトをしていた時期もあったのだが、後に別の予約が同じ場所で入っていない限り、臨機応変に対応していた。1時間遅れの事もあったし、その場合、15分と言わず、30分以上無料で延長する事も多かった。終電が無くなり、タクシー代も出ないので店のソファーで寝ることもザラ。芸能人も稀に来るようなちょい洒落店だった。それよりも格式高い料亭が40分遅れのラストの客を15分遅れで店外に出す事など通常は考えられない。出来る限り調整するものだ。ここには何か理由があったと思われるが定かでは無い。

 

更に、わざわざ店に連絡する人。この人達の真意を考えてみると

・女将、今日なんかdisられていたよ!商売頑張ってよ!

これは常連さんか知り合いだろう。であればビジネスモデルは知っているはずなのでわざわざ報告するわけがない。

 

・量が少ないなんて最低!ハタハタもっと出して挙げればいいのに!

これは料亭側のビジネスをまったく考えない、スキマスイッチのファンだろう。

 

さて、本当に店側に連絡があったとしたら、それがたった1件という事は考えにくい。上下の真意を含んだ報告が多数あったとすると、店側にとって問題というか、うざいのは下。いわれない攻撃をされているのと同じだからだ。川越達也が店にミネラルウォーターの値段が高い、とdisられた時、反撃して炎上したのと同じ。反撃したくなるものだ。しかし、反撃しようにも次々現れる(かもしれない)現実をわかっていないファン達に「うちのビジネスモデルは・・・」と説明してもまったく意味がないし、時間も取られる。ではどうしたらこの反撃出来ないモヤモヤ感を解消出来るか。そう、発信元のスキマスイッチを批判すればいいのだ。そうすれば面倒なファンの攻撃を止める事が出来る。なんせ、自分達の行動のせいでスキマスイッチが炎上する事になるわけだから。こう考えると店側の反撃ツイートに信憑性が加わる。

 

もし私がライブ会場にいてスキマスイッチのMCが何かをdisっている、と無理やり感るとしたならば、それはアーティスト関係者と店を予約する人とのdiscommunicationだ。ライブ後腹いっぱい食べたいアーティストに向いた店を予約すべきだったのだ。予算もある中、津ねやは選択ミスだった、というだけだ。

 

バイアスのかかった穿った見方で尾ひれがついてネットで拡散。まさに炎上のいい例。事務所側も悪意ある大衆が相手なのでさっさと謝罪するという大人対応。

 

この大衆のエネルギーがもう少し政治や社会に向いてくれると日本も良くなると思うのだが。