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底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

マングローブの経営行き詰まりで感じる、よくある日本の会社の問題

前期放送だった「ギャングスタ」は結構好きなアニメだったのに、その放送直後に制作会社が自己破産の申請準備に入ったというニュースが。まあ、アニメ制作会社のこういったニュースの度によく言われるのが

①テレビ局と広告会社の搾取幅が大きく、制作会社はテレビ放送だけだと赤字

②アニメーターの重労働低収入問題

③制作会社のCD、DVDの発売に頼ったビジネスモデル

 

①に関してはこれは今の現状であり、この既得権益化は何もアニメ業界に限った事ではないので、この構造を変えるという問題は今の所一会社が考える事でえはない。

②経営的に原価を抑えたい→制作の原価とはほぼ人件費→削減→安い給料、もしくはオフショア制作。特にPCを多様するアニメでは海外に委託する部分を増やしている制作会社も増えている。しかし、まず、なぜここまで原価を減らさないとならないのか、という経営の問題は残る。

③は②とつながる部分である。

 

語弊を恐れずに簡単に言わせてもらうと、アニメ制作会社に経営のプロがいなくて、既存のビジネスモデルから脱却が出来ない事が一番の問題なのだ。なので、太いクライアントとの癒着体質を作る事が一番の近道になったりするのだ。もちろん、会社によっては経営の弱さに気付いて外部から経営陣を入社させる事もある。ただ、ここにも落とし穴がある。そもそもアニメ制作のノウハウを持って独立した会社が多い世界。ビジネスパーソンの採用のノウハウが無いのだ。

そうなると、面接のポイントもわかるわけがない。なおかつ、それほど高給を出せるわけもない。高給でなくても志をもって自分が起業したわけでもない会社に汗水流して働くマネジメントレイヤーが存在するだろうか。そんな人間は存在しないのだ。もしいたとしたら、私と同様、利他主義な人間であり、それは人としては欠陥品である。そんな人間は紹介でも人材会社からも斡旋される事もなければ、経歴的にも多分ひっかかるような人でもない。つまり、外部から経営のプロとして雇いたい、と思うような人は、ほぼ間違いなく、その人にとってプラスになるから安い給料でもやってやる、という場合なのだ。つまり、アニメ業界の経験を経て、的な経歴が欲しい的なノリ。そういった人達は自己プロデュース力が非常に高く、プレゼン能力も高い。なので、純粋な人達はすぐに騙される。

アニメ制作会社は今こそ、既存のビジネスモデルだけに頼る事ないよう、マネジメントレイヤーに投資して、経営基盤を盤石にすべきなのだ。しかし、既存の経営人はそれが出来ない→オリジナル作品で利益幅を確保するか、アニメーターを低給料にして原価削減するか。こういう手段にならざる負えなく、負のスパイラルから脱する事が出来なくなるのだ。

 

しかし、良い人材とはそう簡単に見つかるものでもない。なぜなら、経歴は当たり前で、そこに人間性も必要だからだ。この人間性が本来、一番問題であり、私は1000人以上面接をしてきたが、業務スキルよりも主に人間性を重視してきた。業務スキルは多少劣っていても、業務中に覚えてもらえばいい。しかし、人間性は変わらないからだ。もちろん、大会社で人はすべて歯車として成り立つようなシステムが出来上がっている会社では別だ。そこではむしろ業務スキルだけでいい。これがマネジメントレイヤーになると、ほぼ人間性といってもいい、と私は思っている。なぜなら、マネジメントレイヤーの経験と実績があれば、それで既に業務スキルは問題無いからだ。問題は、どうやってその実績を作ったか。口ではなんとでも言えるが、ここには人間性が強く現れる。成功したら自分のおかげ、失敗したら他人のせい、という人であっても、上司としてすべて自分の責任でやってきた、という人でも結果は同じだからだ。

ここで多くの会社で間違いを犯すのは、面接時のプレゼンの上手さによって判断する事だ。自己プレゼンの上手さと人間性は比例しない。それは自己プレゼンが上手い人であり、業務スキルや人間性の判断とは一切関係無い。100歩譲って、プレゼン能力が高い人を採用したい、という要望があったとしても、その重要性は求める経営スキルと人間性という最重要項目よりも劣る。なぜなら、実際のプレゼンは専用の人間を雇う事もアウトソーシングする事も可能なモノであり、それらの人達、会社をコントロールする能力の方が重要であり、その能力は自己プレゼン能力とイコールではない。

そういった事は数多くの人間と仕事をしないとわからない事ではあるが、意外と中小企業の社長系はそういう事に疎い人が多い。

 

アニメ制作会社の行き詰まり。長年言われている現状が変わっていない以上、会社の経営をドラスティックに変えるべく、外部からマネジメントレイヤーを受け入れる勇気と決断。それも正しい人間を。経営者としてはそういった事を決断する、いい事例だと思った。