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底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

おっぱい募金に行ってきた。

何気なくつけていたMXの番組で知った「おっぱい募金」。もともとは本家24時間テレビの裏で、「BSスカパー!」のテレビ番組『24時間テレビ エロは地球を救う!』が、毎年行っているチャリティイベントとの事だが、今年は12月5日と6日の両日に行われるとの事。何のことはない、募金をするとおっぱいを揉める、という単純なしくみ。なんと低俗でアホらしいイベントなのか。これは体験するしかない。

6日。新宿なら自転車で30分ほど。電車で行くのと時間的にはさほど変わらないのでのんびり行く。とはいえ、クラブ帰りで踊り疲れてパンパンの足には結構キツイ。朝8時から整理券を配っている、という事は事前にツイッターで知っていたのと、午後に予定があったので、10時半過ぎに到着の予定でいた。

場所は格闘技のイベントでお馴染みの新宿FACE。ビルの前に男性が2人立っており、パラパラと男性が整理券をもらっている。私も受け取る。券には集合時間11時半~12時、と書かれている。この時私は気付いてしまった。そう、事前情報で知っていたのに、クラブ用財布に入れ替えた運転免許証を戻すのを忘れていた事に。

 

足がパンパンなため、早歩きで電車ホームへ向かう。最寄り駅からは往復ダッシュ。新宿駅に着いてからもダッシュ。ギリギリ12時に待ち合わせ場所へ着いた。私はいったい何のためにこんなに必至に走っているのか、泣きたくなった。

行列の集団をまとめている係の人に券を見せると、「あ、(前の番号なので)そのまま行ってください」と言われてFACEへ。ここからがまたキツイ。本来行列するので、徐々に上がる7Fまでの階段を今までダッシュしてきた足で更に一気に登らなければならないからだ。既に終わった人達とすれ違いながら、汗だくで登る。

やっと7Fに着いた時にはぐったり。荷物検査と金属探知機検査を受け、出演許諾証と個人情報系の注意書き、SEXではコンドームをするかどうか等のアンケート書類を受け取り、行列が出来ているフロアへ。

前面には一面赤ちょうちんで飾られ、巨大モニターには現在の集客数がリアルタイムで表示されている。まだ2000名台だった。客層は、あらゆる事に現場を見ずに、ネットの情報だけで物事を断定する視野の狭い人が想像するような、所謂キモオタ的なおっさんはほとんどいない。20~30代が中心。女性もちらほらいる。地方から出張で来ているスーツケース持参の人も。

その時、「ただいま、募金者数が3000名を突破しました!で、こちらの人が3000人目です!」と自己紹介させられた人が現れ、会場がちょっと苦笑に包まれる。記念品はテンガの豪華セットとの事。

いよいよちょうちんの壁の裏のステージ、となった所で身分証のチェックがある。しっかり書類と照らし合わせながら見るので、偽名や偽住所は書けない。その後、更に書類を渡す場所では身分証を一枚ずつ撮影される。個人情報をチェックするだけでなく、保持までするとは、このご時世、企業側もだが、こちらもかなりのリスクだ。

 

「募金は1000円からでお願いします!女の子がんばっていますので、是非ご協力お願いします!」

何度もトラメガでスタッフが叫んでいる。まあ、当たり前だ。ちょうちんで出来た壁はステージになっており、そこを上がると募金箱。1000円を投入。壁の裏側に女の子がいるのだろう。特にこんな事で緊張する歳でもないので、最期の列になるであろう、壁前で待つ。

「どうぞ~」

ついに私の番だ。壁の裏側にまわる。

 

(へ?なにこれ・・・・)

 

長テーブルの後ろにおっぱいをさらけ出した女の子(6人くらい?覚えていない)がずらっと並んでおり、左右には黒スーツの男性。この非日常的な光景に圧倒された。もう無意識に最初の女性の前にいき、事前にステージ前に書いてあったワードを言う。

(女の子)

「もみもみ!」(だったかな?)

(私)

「ぱ~い!」

でひとモミ。

これを全員分くりかえす。あまりにもいたたまれないのと、異様な雰囲気から脱したい衝動からか、二人目からは女性のセリフも一緒に言っていた。

 

で、終了。なんだかわからない感覚。正直胸の感触などは触り慣れたモノではあるので特別な感動などは無いのだが、衝撃なのは最初の光景だ。ここに来ないと普通の人は一生見ることは無いだろう、異様、いや、あれだけ胸が並ぶのは一種の異形の生物の集合体のようなエネルギーを感じた。なので、私はエロさなど微塵も感じる事はなかった。自らが選択して行動しないと絶対に得る事が出来ない経験が出来た事への感謝の念の方が大きい。そして、このような奇想天外な企画を考え実行した人達への尊敬の念と軽い嫉妬を覚えざる負えなかった。

退場時にコンドームを1個もらえる。出演AV嬢のサイン入Tシャツなども販売しており、人がいたので女の子のファンの人もいるのだろう。私は1人も知らなかったし、プロフィールもチェックしていなかったが、それらを事前にチェックし、AVまで見て参加するとまた違った目線の体験となるのだろうか。そんな事を考えながらまた階段を降りる。階段は1Fまで行列だ。その脇を降りるのはなんだか恥ずかしいが、こちらもしっかりチェックする。午後の部という事もあり、一段と若い人が多い感じだ。若い人ほど集団で参加しているのはどこのイベントでも同じ。

 

あえて言うなら、「STOP!AIDS」の啓蒙が現場ではゼロなのが勿体ない。イベントの趣旨は参加者全員わかっているだろうが、あまりにも現場が非日常すぎて、せっかくのチャリティーの意味を忘れがちになってしまう人は私だけではないはずだ。

とはいえ、現場でしか体感出来ない、表現しがたいモヤモヤ感を体験出来た事はとても有意義であった。

次回があったら光景としての耐性が出来ているだろうから、その時自分がどのような反応をするのか、それはそれで楽しみではある。