底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

NGT48 山口真帆の暴行事件で思うこと

運営の対応がどうこう、とかいう正論は他の人達にまかせて。私が思ったのは今の日本社会では「会いに行けるアイドル」というビジネスモデルはもう限界になったのでは、という事。

秋葉原48として始まった時はファンとはオタクであった。ざっくり言えば、多くが「電車男」的な男性が多く、チェックシャツをインする、小太りもしくはみすぼらしい青年中年が中心。スクールカーストで言えば底辺あたりの人達。こうした人達が中心となって、冴えない自分と違ってアイドルを同一視して応援する。だからこそ、アイドルが輝く事が嬉しいわけで、応援する。同一視なので、それは社会で底辺あたりの自分も満たされる事と同じだからだ。

しかし、この会いに行けるアイドルブームが起きてから10年以上。未だにテレビでインタビューするのは世間がイメージするオタク(メガネ、ファッションがださい)人ばかりを映すが、そのようなオタクもたくさんいるが、むしろ普通のファッション、むしろかっこいい方なのでは?という若者や綺麗な若い女性が多く、昔からの中年的ヲタ達が一角に集まっているだけ、というグループもあるぐらいだ。これは会いに行けるアイドルというのがもはやヲタクの同一視の対象ではなくなり、一般的になった、ということ。

私の1割理論で言えば、昔から一定数は悪いヲタクはいた。しかし、絶対数が少ない事と、ヲタク同士の監視の目(トップヲタ制度)等、尽くすヲタク同士の尊敬や敬意があった事で防げる部分もあった。しかし、一般的になった、という事はこの秩序が崩れる。ヲタクの世界が一般社会の人の配分に近くなる、という事はそれだけ悪い人間の感じも一般社会に近くなる、という事。アイドルを応援したい、近づきたい、という事で起きていたファン的な事件だけじゃなく、一般社会と同じわけだから、自己承認欲求を満たす為だったり、単純に性欲だったり。事件のバリエーションが増えていく。

 

川栄李奈入山杏奈が暴行されたり、冨田真由がめった刺しにされた時に業界は気づくべきだったのだ。今の日本社会は会いに行けるアイドルというビジネスモデルが成り立つほどの民度では無くなった、という事を。

多分、一部の人達は気づいていただろう。だから握手会をしないアイドルというのも出てきている。しかし、先駆者であるAKBGが止めない限り、その他のアイドル達(というか企業側)はこの美味しいビジネスを止められない。CD(握手券)が売れるからだ。少女達には夢の実現という事で薄給で済むので、利益が予想がたてやすいのも魅力だ。

であれば、完全な安全を確保すればいいのでは?という話もある。それは絶対に無理だ。なぜなら、これだけのアイドルグループがある、という事は関係者もそれだけ多い、という事。つまり、人間が増えればそれだけ人間の悪さも出る。運営側の人達が全員、自身のアイドルの事を一番に考え、仕事をするわけがない。自己保全が第一で、その後に自己の欲求を満たす事、というどの会社にも当たり前にいる人が運営側にいる事だって当たり前なのだ。余談だが、私は様々な経験をして金持ちになった事もあるので、金銭的欲望も無いし、結婚もしていないから自己保全も無いので、滅私奉公が出来る、というPRでAKSの管理業務を受けた事があったが、書類で落ちてしまった。私は若い時に100人以上のコンパニオン系の女性の管理業務をした事もあったが、女性に手を出さなかった社員は私一人だけだった。私はそこを誇りに思っていた(今となってはクソ真面目すぎたと思うが)。つまり、私のような人間はほぼいない、というわけだ。しかし、年齢経歴等で面接さえも出来ない。逆にいえば、手を出すかどうかではなく、天秤があったら自分の倫理よりも自分の欲求が勝つ、というのが普通であり、そういった人間が運営側、という事だ。あの秋元康だっておニャン子クラブメンバーに手を出して結婚しているわけだから。

 

話が逸れたが、そんな人間達が管理をしているわけだ。つまり、アイドルグループを作っているのは少女であり、情操教育や人間教育も必要、という事が理解出来ていない人達も多い、という事。それはそういった事が仕事のはずの学校の先生でさえ、真面目に取り組む人達は精神を病むほどの仕事だ。サラリーマンがするわけがない。つまり、メンバーも管理が薄い無秩序状態になる。そうなると、学校でもある、メンバーカーストだって生まれやすくなるだろう。メンバーの心のケア無しにメンバーに差を付けるのだから。それも完全に透明性があるわけでもなく。疑心暗鬼や嫉妬が生まれやすい土壌で、しっかり管理が出来るほどの責任感のある社員がどれだけいるか。むしろほぼいないのではないだろうか。学校にスクールカウンセラー制度があっても自殺が減らないのがいい例だ。カウンセラーというのは業務であって、真に子供を自殺させたくない、という人間性を伴っている人というのはそうはいないのだ。

握手券を数百枚単位で購入してくれる太い客が数人いる子に、購入が1枚だけど100人ファンがいる子が負ける事もある世界。逆にどれも少なくても運営から推される子もいる。コネ加入の子もいるからだ。ホテルでファンと定期的に密会、ジャニーズ等との合コンなど、ストレスのはけ口を性的な事に求める子が出てくるのも当たり前だ。キャバクラ嬢よりも収入があるはずの風俗嬢の方がホストに貢いで金が貯まらないのと同じ。よりストレスのある仕事の人の方が、よりはけ口を求める。全員が例えばディズニーランドに行って散財する事でストレス発散できればいいのだが(実際、そういう子も多い)が、ディズニーランドというゴリゴリ資本主義のやり方に自分達も乗っかっている、と見えてしまう感受性の高い子や感覚の鋭い子は、別の手段をとってしまうもの。それがいじめだったり、性的な行動だったり。それらの複雑な心理をどれだけ敏感に運営側の人間が感じられて制御出来るか。まず無理だ。

 

つまり、アイドルを取り巻くファン社会はもはや日本社会になった事で犯罪は防ぐ事は出来なくなり。

アイドル達は受ける負のエネルギーは増え続け、特殊な仕事から一般化した事でメンバーもアイドル志望だけでなく、権力者のどら娘なども増え、内外からのストレスで秩序の崩壊を防ぐ事ができなくなり。

運営側の人間も今どきの人(自己保全優先)となり、上記の問題などどうでもいい事となり、事件を防ぐ事も少女を守る事も出来なくなり。

つまり、この日本の「会いに行けるアイドル」というビジネスモデルは既に崩壊した、という事で、今止めないと今後更にこういった問題が起きるのは確実。

 

山口真帆Showroomツイッター等の道具があった事よりも、23歳という年齢もあるのか、本人がアイドルとして強かった。だから1ヶ月我慢出来た。これが10代の子だったらもしかした自殺していたかもしれない。実際、自殺した農業アイドルの子は16歳だった。

また、今回の事件で、頭のおかしい人は「ほぉ、アイドルの家に行ってレイプ出来るな、これは」と思って行動するだろう。そういう人は絶対にいるのが人間社会だから。

 

なんでこんな社会になってしまったのだろう、日本は。最近ずっと考えている。