底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

野島善司都議の発言がセクハラだとわからない人が意外と多い件について

こんにちは。上から君です。

「平場なら結婚したらどうだという話は僕だって言う」で物議を呼び、その後

「思想信条での発言」と説明しました。つまり、発言の撤回はない、ということです。

ここは過去の歴史から理論的に組み上げていくことも出来るのですが、野島議員自身がなぜこれがセクハラ発言なのか、の答えを言ってくれています。

「わたしもよわい65歳。いろいろな人生を経験してきて、人生いろいろなんですよ。男もいろいろ、女もいろいろ。昔はね、おせっかいなおじいさんやおばさん がいたの。僕も『男女は結婚するべきだ』と思うのは、思想信条だから当然なんですよ。そのうえで、そういうことをやっていくと」

これです。つまり、「結婚したらどうだ」という発言を「おせっかい」と本人が認めています。

おせっかいとは、ネット辞書では

・出しゃばって、いらぬ世話をやくこと。また、そういう人や、そのさま

類義語に口出し、や干渉などがあります。

もうこの時点でいい事ではないのです。ただ、こういう人もいます。

「いいおせっかいもあるじゃない?」

もちろん、そうです。物事に100%というのはかなり難しい事です。しかし、根本はいらぬ世話であり、例外の方が多数派なのであれば、

おせっかい=人のために心配危惧すること、そのさま

と言葉の意味が変わっていたはずです。

 

と、まずは必要ない他人への干渉であることが証明されました。そして発言内容です。

「結婚したらどうだ」と言われて誰しもが100%不快になるか、というのは無いと思います。人の感情で100%同じなんてほぼ存在しないからです。しかし、現在は男女の問題は性も含めて複雑化し、社会も変わっています。都内では30代以上の女性4割、男性6割が独身、というデータもありました。離婚率も増えています。生き方も様々。社会が複雑化しているのです。それは個人事情も複雑化している、とも言えます。

そんな中、結婚とは性の問題です。異性間だけでなく、日本ではまだ法律が整備されていませんが、同性間の問題でもあります。そこに対して親しくも無い他人が土足で踏み入ること、また、この文言だけの問題ではなく、背景には「男女は結婚するべきだ」という思想があることこそがセクハラなのです。そもそも、なぜ「男女は結婚するべき」と思うのでしょうか。それは、その方が幸せなのか、当然なのか。その具体的思想はわかりませんが、何かしらが独身よりもshouldではなく、bettterと思っているからでしょう。「結婚はほぼ不幸せになるし人生の為にもならない」のであればオススメしないでしょう。つまり、独身者の現状は結婚者よりも何かしらが劣っている、と思われているわけです。これがセクハラの根源です。

「お前は結婚していないから(何かしらが)劣っているんだ」

この何かしら。私が耳にしたことがあるのが

・結婚出来ない人は人間的に未成熟

・結婚して男は一人前

・子供がいない人間にはわからない

・女は結婚して子供を産んで家庭に入れ

等々でしょうか。仕事とは関係ないですね。人間性の批判になっています。おわかりだと思いでしょうが、仕事ではなく、人間性の批判をする事は性に関係しないとパワハラになるわけです。結婚は性に関係しているので、セクハラなわけです。

 

受け取る側がどう取るか、ではないのです。発言する側のこの、結婚、という性の問題で他人の人間性を見下げる行為が問題なのです。

この、「受け取る側の問題ではない」という考え方は非常に重要です。こういったセクハラを理解出来ない人達は受け取る側を攻めることに終始する傾向があるからです。彼らは体を触る、肉体関係を強要する、等の直接的な嫌がらせしか認識することが出来ません。そういった層の人達は社会にある程度存在します。 

 

確かに、気のおけない仲間内で、「なんで結婚しないの?」という発言はあります。それはお互い気心の知れた仲で情報交換だったりのコミュニケーションであったりして上記のような他意はないから成立するのです。これは直感的にしか理解出来ない人にもわかりやすく言うと、友達関係の男女間で肩を抱いたり、腰に手を回す、とうことはザラですが、セクハラにはなりません。

 

通常の労働であれば確かに信条は関係ないですね。仕事は結果です。ただ、政治家だけは違います。政治家は民衆の信条も代表しています。それを具体化して政策にするのです。そんな野島善司議員が会長を務めるのが男女共同参画社会推進議員連盟。つまり彼は北多摩4区の信条の代表でもあるわけです。そういう人間性とわかっていて当選されたわけですから。なので、彼は男女共同参画社会の推進の仕事をしてしなければならないが、同時に北多摩4区の代表としての性差別意識も持ち込む義務があるのです。

議員のセクハラ発言は言葉の撤回、という簡単な問題ではい、ということも同時に理解しないといけませんね。選挙権を持つものとして。