底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

ULTRA JAPANで見えたもの

こんにちは。上からさんです。

ULTRA JAPAN見に行ってきた。野外フェスなるもの系には参加したことがないので、どういった人達が来ているのか、調査したかったのだ。

1日券11000円、2日券で21000円。私が毎年参加していたテクノの屋内イベント「WIRE」にほぼ近い値段設定。WIREは近年高齢化が激しく、場内は中年率が高い。若いファンが育っていないためか、今年2014年はイベント自体無くなってしまった。新木場のAgehaでWIRED×CLASHという合体イベントはあったのだが、その場内もやはり男女とも中年率は高かった。フジロックでさえも高齢化が進んでいる、とも聞いているので、この値段なら、同じような感じだろうな、と想像していた。

お台場についたのは最終日の15時過ぎ。私は自分の目を疑った。若い人だらけなのだ。中年などほぼいない。そしてどちらかといえば女性の方が多いように思える。特徴としては、男性はほぼカジュアル系なのだが、女性はほぼ100%全員フェススタイルのパーティー系。近接のダイバーシティお台場の1Fフードコートは若者でぎゅうぎゅう。この施設はオープン当日から、新しいモノが出来る度にちょくちょく足を運んでユーザー層をチェックしきたのだが、どんな時もお上り観光客とカップル、家族連れという普通のお台場ユーザー層の変化はなかったのだが、若者だけでフロアが占められるという日がくるとは思っていなかったし、それが皆パーティーピーポーなのですさまじい光景だった。外出自由なので、外の芝生にも多くのパーティーピーポーな若者が寝転んでいる。また、近接してオクトーバーフェストもやっていたのだが、さすがにこちらは値段設定が結構なものなので、中年と言ってはかわいそうなかな、という30代前後の人達。もちろん、ほぼULTRA JAPAN参加者。参加者は腕にバンドを付けているのでわかる。

なぜこの値段設定でここまで若者がいるのだろう。私はオールジャンル系ナンパ箱のクラブには行かないのだが、そうではない通常のクラブだって、今やここまで若者だけ、ということはないし、若い女の子も少ない。ましてや、このように男性を上回るなんてありえない。

ということは、クラブ文化が復活したわけでもない。それはWIREの衰退を見てもわかる。しかし、野外フェスは軒並み好調というデータもあり、今私はその現実に直面している。

なぜ?EDM系はマスメディアでも放送しないし、日本人DJもハウス、テクノに比べて大した人もいない。もはやテレビに影響されない時代、と言い切ることも出来ない。なぜなら、未だに表参道には原価率が最低のポップコーンに長蛇の列ができている。ただ、あの表参道の列の客と今回のフェス客とはなんというか、エネルギーというか、色が違う。服、という意味ではなく、じっとたかがポップコーンなのに長蛇の列に並ぶ人、つまりマスメディアに踊らされている人でおしゃれな人を見つけることが出来ない。しかし、フェス客は自己主張がかなり強い。この日にフルで楽しもう、という勢いがすごい。

そんな気合の入った若者がこれだけ集まるなんて、私が大学生の頃だってなかったと思う。私が20代の時に11000円のイベントに参加するなんて、かなり勇気がいったと思う。しかし、現代のこの感じ。なぜここまで若者を惹きつけるのだろうか。

EDMという新しジャンルでの中立性もあるのかな、と思ったが、それは間違いだとすぐ気づいた。なぜなら、ジャンルがめちゃくちゃなロックフェスだって超満員で、多くの若者が参加しているからだ。確かに、クラブのEDMのイベントは対して若者が多いわけではない。そうなると、クラブ自体の問題もあると思うが、EDMの魅力だけで若者を惹きつけているわけではない、ということだ。

場内を見てみる。会場を一望出来るのだが、入場規制がかかっているぐらいの人混み。確かに場内は大混雑だ。ただ、踊っている(はしゃいでいる)のはメインステージ前の集団ぐらいで、後の人は場内にぶらぶら、という感じ。昼間ということもあるが、夜に向けて体力温存なのか、それとも踊りメインの参加ではないのか。

むむ。ますます謎だ。この謎を解明できれば、現在大変難しいといわれている、若年層のマーケティングの役にたつ。現在、日本のビジネスマーケティングでは若年層は人数も少ないし、メディア煽りも効かないし、趣味嗜好が多様、そして金も持っていない、ということでほぼ対象から外れている。なので最近はあからさまに中年と高齢者しかターゲットにしていない。若者はオタク層だけ。しかし、このULTRA JAPANは11000円チケット。高額だ。そして、普通の若者がこれだけパワーをもって集まっている。そして近隣施設も潤っている(ダイバーシティだけだが)。十分、ビジネスターゲットとして魅力だ。

ヒントは男性よりも多いと思われた女性のファッションにあると思われる。彼女達は男性にナンパされに来ているのではない。彼女達自身がパーティーを楽しみに来て、羽目を外している。自らがイベントの一部と化している。

もう少し調査と勉強をしなければならない。