底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

最近、日本でも中年男性俳優が面白い

単なる日記。

40代前後の男性俳優で、昔から出ている人はなかなか難しい。というのも、多くは若い時にイケメン俳優で二枚目として売りだされているからだ。

そんな中、私は最近、妙に気になっているのが伊藤英明だ。彼の昔のイメージというと、市川海老蔵モテ坊主と一緒に、ヤバイ筋の金持ちとツルンで遊びまくっている、ということしかなく、無理やり二枚目俳優として売りだされているような感じがあった。特に見ていなかったっが、海猿なる作品で男的なイメージで売りだして、なんかうざかった。

ひょんなことから、遅ればせながら最近映画「悪の教典」を見た。サイコパスの教師、伊藤英明は見事に演じていた。彼の狂気の笑顔は素晴らしく、目の黒目さえも演技に見えた。果たして、このような、二枚目と狂気の両方を演じることが出来る俳優はいるだろうか、と考えた時、思い浮かばなかった。なぜなら、狂気の役は中年俳優はやりたがらないからだ。

で、つい最近、「罪人の嘘」というドラマを見た。今度は誰にも明かさない闇を持つエリート弁護士、という役柄。悪の教典の教師とかぶる部分もあるので、無難な所かな、と思っていたら、今度はそこに悲哀が入っているのだ。この悲哀が素晴らしい。特に最後の法廷での長回しでの伊藤英明の告白シーンはついつい、こちらも引き込まれて号泣してしまったぐらい。この悲哀は彼が若い頃には出せない部分だと思う。

現在の30代前後の男性俳優は現在の4,50代前後のもうかっこいい役かコミカルな役しか出来ない人達を見ているせいか、積極的に悪役も演じているが、演技が悪の方に過剰だったり、悲しさはあるが、哀愁がなかったり。それは年齢による部分が大きいと思うのだ。

昔から脇役で結構出演の多かった滝藤賢一がやっと評価されたのも、彼が話題作に出演出来たから、というよりも彼の演技と役がやっと年齢に追いついた、と考える方がしっくりくる。

テレビが視聴率低下しても金が入っていくるよう、スポンサー重視の配役でジャニタレやタレント達でドラマを作り、あわよくば映画も作る、ということが横行している中だからこそ、結果を出すいい俳優を別の場所で発見出来るいい機会とも言える。

これからもいい俳優をチェックしていきたい。