底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

ネトウヨ達の主張は今後どこへ向かうのか

先日、失業率悪化、消費者物価指数は上昇、消費支出の減少が政府発表でわかった。そして日本自動車工業会は10月30日、2014年度上半期(4~9月)の自動車輸出実績を発表し、前年度同期4.9%減で2年連続で前年比を下回る結果となり、円安になっても自動車輸出台数が伸びることは無いことが証明された。そんな状況なのに、日銀はさらなる金融緩和を急遽決定し、円安は進んでいる。

自動車業界では円安が進むと含み利益が増となり、経常利益は上がる事がある。しかし、これは先の発表のように輸出が増えていないわけで、最上流のナショナルカンパニーだけが儲かって、国内下請けはまったく儲からない。例えば、部品Aを作成する会社は製造数が増えないと売上は上がらないのだが、輸出数は減り、国内市場も冷えている中、売上が伸びる事はない。部品Aの単価が1000円だとした場合、下流過程になればなるほど値上げなど望めない。ましてや、含み益が上昇した上流企業が、「うち、儲かったから買い取り額を1200円にしてあげる」なんて言うわけがない。つまり、株価上昇した所で実質経済はそう簡単には回らないのである。

こんな事は何度も言うが、最初からわかっていた。しかし、マスメディアを通じた、脱デフレ、というわけのわからない言葉がひとり歩きし、実質経済を知らない無知な人達を巻き込んでそれがいいもののように印象つけた。そして社会の底辺層のネトウヨ達に国家安全保障強化、という幻想を民主党と比較することで植えつけた。

さて、まずアベノミクスの結果は出た。一定の企業と投資家しか儲からない、格差社会の基盤が構成された。現在の数字だけを見ると、消費税は増税どころか5%に戻してもいいぐらいなのだが、すでにあらゆる無駄予算が見越して組まれているし、法律改正も必要でそう簡単にはいかないし、政治家官僚、既得権益者がそのような一般庶民のためになる事をするわけがない。

さて、ネトウヨ達だが、現在あれだけ大量の中国船が堂々と密猟をしている中、何もしない安倍政権についてまったく言及していない。これが民主党時代だったら大変な事になっているだろう。所詮信念のない輩。見たくもない現実からは目を背けたいのだ。で、アベノミクスの結果についてはこういった輩はどう思っているのか。未だに民主だったらもっと悪くなっている、というタラレバ論を言う人や、反日集団の力を削ぐために、国民は痛みを伴っているのだ、という人もいる。そもそも、反日集団というのは何なんか。日本国民の50%を超えているものなのか。そんなことはありえない。それはすでに日本という国を維持出来ない。また、反日という定義は何なのか。イデオロギーの事なのか、それとも売国奴的な事なのか。前者などはどうでもいい。問題は後者。一番簡単に見つかる集団は政治家と官僚という事になる。しかし、アベノミクスでは彼らを儲からせた。では、何かしらの少数既得権益者の事なのか。その為に大多数の日本庶民が痛みを伴わなければならないのか。そんな不合理な事がまかり通るはずもない。

結局、ネトウヨとは自民が仕掛けた、マスメディア操作にまんまと乗った、自分で考える事が出来ないレベルの層であったのだ。悲しいものだ。