底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

トリクルダウン理論は机上の空論であって、歴史的実証もない件

アベノミクスが行っている政策の背景にあるトリクルダウン理論。富めるモノを更に裕福にすればいずれ底辺層もおこぼれがきて、全体が底上げされる、という思想である。この思想は未だ実効性に確証はなく、経済学者さえも支持しているものではない。なので、思想や理論、というレベルで政策レベルになっていないモノだ。この思想は貧困国民が多い後進国には通じるが、先進国はそれなりに庶民に購買力があるので効果が無い、とも言われているが、例えばタイ。賃金の安さで中国から鞍替えした企業の受け皿となり、急成長した。そしてタイ国内で多くの富裕層が増えた。では、それが庶民にも行き渡っているだろうか。実体経済として職は増えたが、貧困には変わらないのだ。というのも、タイは相続税がゼロなので、裕福層はずっと裕福。貧困層はほぼ一生安く使われるだけだからだ。つまり、後進国であってもトリクルダウンはその国のあり方によってまったく上手くいかない、という事なのだ。

 

では一応、先進国扱いの日本はどうだろうか。日本は世界屈指のドメスティックだけでそれなりに会社が成り立つ、対消費者では非グローバルな経済だ。そんな中、グローバルに展開して成功する会社と、国内だけをターゲットにしても成功する会社もある。先のブログ内容の通り、そういった実体経済の中で規制緩和構造改革が行われる事で本来の経済活性化が求められる、というよりも、庶民の底上げが出来る。大会社意外のほとんどの会社はほぼ日本国内で稼いでいるので、庶民の生活が向上すれば、ほとんどの企業も上向くのだ。

 

しかし、トリクルダウンの思想でアベノミクスは富裕層、超富裕層優遇政策を行う。そのリフレ政策だけでなく、反デフレへも動いた。消費税を増税し、東北の復興のため、という事で電気代の値上げも承認し、+復興特別代金ものっけているが、福島原発放射能関係工事は予算を使うだけ使うかのごとく、何をやっても放射能漏れを起こす。そして、東京電力は今期増収増益。しかし、電気代が上がった庶民は必死に節制生活をしている。

 

例えば、日本国民を10人とした場合、9人が年収200万。1人が年収1000万だったのが、1人が年収1億になっただけで、平均給与は大幅アップとなる。同じような事が今後様々な数字に使われるので、庶民の実体経済自民党がチョイスしてメディアでアピールする数字には現れにくくなる。

 

今このような政策をアメリカでやったら恐ろしい暴動が起きるだろう。ヨーロッパでも同じだと思う。日本はなぜかテレビを信じる人間が多いのと、支配される事に慣れている人が多い事で、GDPの結果でも暴動も反乱も起きないどころか、自民党を支持する、という庶民までいる。

 

事業の失敗ではなく、政策によってもたらされる事で増える貧困層と優遇され富める富裕層。多くの庶民は自分は関係ない、と思っているかもしれないが、そのいびつな構造は必ず庶民の社会にも影響を及ぼず。このままだと愛する家族、仲間が犠牲になる確立は決して低くないのだ。

 

同じ思想で行われたレーガノミックスでの結果をしっかり分析すれば、アメリカは困ったら戦争をしている事実がわかる。しかし、日本は戦争というカンフル剤は無い。つまり、富裕層が更に富むだけで終わる、という可能性の方が格段に高いのだ。

 

庶民よ、目覚めよ。

なんて、無理か。