底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

ドラマ「問題のあるレストラン」が視聴率が悪い理由、という記事について

作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析、という記事があった。


真木よう子主演『問題のあるレストラン』 視聴率一桁の理由 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

 

結論から言うと、セクハラ、パワハラの刺激が強すぎてワーキングウーマン、女性視聴者の素直な共感が集められないことに起因していそうだ、というのだ。

 

私はこのドラマは今期No1だと思っている。1話でまとまりながら次が気になる流れ。登場人物が多いのにも関わらず、一人ひとりの個性がしっかり際立っている。近年のドラマに見られる、コントのような再度確認説明するようなセリフ、演出も少ない。何より、コメディタッチの中にキラリと光るセリフがある。登場人物が多い為、障害の種類も多いのだが、それでも当てはまらない人もいるだろう。しかし、セリフはそこもカバー出来る、すべての人に当てはまる共感力を持っている。なのに低視聴率とは。では原因は記事のような事なのであろうか。

 

私は真っ向から否定する。刺激が強い?ドキュメントならともかく、ドラマでこれぐらいで刺激が強くて受け付けない、という視聴者がいると思っているのであれば、人間をバカにしているとしか思えない。フィクションのドラマの嫌なシーンが刺激が強いのであれば、大ヒットドラマ「半沢直樹」の滝藤賢一に対するイジメの方がよっぽど酷い。ではなぜ視聴率が低いのか。

 

共感、というキーワードに絞って考えて見るとまず、この作品が原作、アウトプットは別にしろ、主要女性全員が一生懸命生き方を考えて生きている、という事。逆に東出昌大演じるシェフはあまり深く考えない直感タイプで描かれている。そして女性達は皆、お互いの傷を庇うわけでも舐め合うわけでもなく、団結する事で前向きに生きている。まさに、仕事、人生を一生懸命で、努力、真面目さは報われる、と思っている人には最適なドラマだ。実際、AKBGのメンバーのツイッターで感動し、泣いた、というつぶやきを見る。

 

共感。そう、この時間には例えばAKBGの少女のように、一生懸命何かに打ち込んでいる人、また、社会の輪を考え人生を思慮深く考えて生きている人、仕事を人一倍真面目にこなし、それでも報われない社会のありように嘆くような人はドラマを見ないのだ。つまり、この現実社会に女性が仕事で生きる意味を見出すようなドラマに共感するような一般庶民層が少ないのだ。このドラマの登場人物が何でこんなに苦しい目にあいながら女性だけで働き続けるのか理解出来ない。なので面白さもわからない。

 

これではまるで一般女性がバカみたいな感じだが、ドラマ側にも問題がある。それは、バリバリ働く女性達はドラマのように大人数の女性達で構成されるコミュニティは作れないのだ。AKBGのようなアイドルグループが特殊なだけ。基本、社会で仕事が出来る女性はうまく男性を使い、女性である事も利用するので、女性だけのグループというのは出来ない。なので、本来このドラマ応援したいそういった層の女性にしてみれば、

「仲間がいるだけいいじゃない。社会で働く女性は孤軍奮闘なのよ」

という事になり、共感する事が出来ない。確かに、複数の女性で一致団結して困難を乗り切ったり、NPO団体を作ったりする女性もいる。しかし、こういう女性達は逆にドラマのように個々で独立して仕事が出来るようなタイプではなく、また志も低い事が多い。会社では所謂、使えない、任せられないタイプに属する。なので、そこそこ共感はできるが、あそこまで張り切って男性と戦う事に共感は出来ない。

 

以上が、私が考察する低視聴率の原因である。多分、記事を書いた人はまともにドラマを見ていないと思われる。