底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

マスメディアが低所得下層中年を扱う時の偏り

40代を過ぎても引きこもりだったり、年収が100万円以下的な特集ニュースをテレビや雑誌で見たことがないだろうか。そういう場合、必ずといっていいほど、親と同居している中年が紹介される。

これは問題が輻輳している。問題の核心は40歳を超えても低所得で結婚も出来ない人が急増している、という事。この世代はベビーブーム世代(団塊ジュニア)である。数十年後にこの最下層達が老人になったとしたら。そういった危機的な社会になぜなってしまったかであり、そこの分析が対策への糸口にもなる話しなのだ。なのでパラサイト・シングル問題はその中の一つであって、決して同列で語られる問題ではないのだ。パラサイト問題は親たちの年金額等、老人優遇政策など親世代の政策背景も問題にしなくてはならなくなる。

そういった付加的要素の話しの前に、企業は当たり前に出世枠は少ない。ベビーブーム世代は人数が多いからあぶれた人間に年齢差別のある日本では職があるわけがない。しかし、セーフティーネットがあるわけもない。正社員の優遇措置、既得権益化等、そういった世代を背景にした社会システム、経済政策を話し合うべきなのだ。それを同居中年、という情報を頻繁に流す事で、こういった事に関心のないホワイトカラーやブルーカラーの結婚している人達は

・自己責任だ

・能力が無いからだ

・甘えるな

と切り捨てておしまい。もっと早くこのベビーブーム世代の問題に目を向けて政策を取っていれば少子化も今よりもマシになるはずだった。ずっと見捨てていたこの世代がそのまま40代になったらそりゃ問題になるわ、というのは当たり前だ。そういったこれこそ、社会の問題であって、それを構成する一人ひとりの問題なのだ。

 

同居中年ばかり報道して感情操作するあたり、増え続ける生活保護者を抑えるべく流している、全体の2%以下という極めて少ない不当受給者ばかり報道するのと似ている。その情報を受信する人達はその時点でほぼそういった事に無縁な人が多く、メディアの操作のままに、「ふざけんな!」となる。

 

有権者がもっと自分に直接関係ない社会に目を向けるようになれればいいのだけれども。日本で社会の為に立ち上がる人達をいちいち「プロ市民」と揶揄する人達もいるし。海外で人種差別問題のデモ等で差別問題に関係のないCacasianの一般人、有名人が支持をするのを見てもこういった人達は「プロ市民、売名行為」と揶揄するのだろうか。単純にあなた達よりも社会全体を考えている、と思う事は日本人には無理なだろうか。

 

困ったなぁ。