底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

有望な20代を採用しよう。若手採用ならキャリトレ!

日本は先進国と呼ばれる中では、採用時に未だに年齢差別が公式に横行している人間性を無視する事が当たり前の社会なのだが、それでもさすがに諸外国に対して劣っている国と思われたくない一心に(?)、男女平等(性差別撤回)、採用時の年齢制限の撤廃をうたった。しかし、男女平等とはいいながら、ヤクルトレディーや、カルディコーヒーファームのように女性だけの採用が許されたり、ベンチャー企業で写真が数名しかいないにも関わらず、「長期育成の為」という理由で30歳まで、のような採用が許されてきた。長期育成するほど会社が存続する事の方が難しい、もしくは長期に転職しないでその会社に居続ける人間である事の方が難しいのに。このようにはっきり性差別、年齢差別をうたうならまだいいのかもしれない。当たり前のように年齢だけで切る事が当たり前。そもそも職務経歴書だけでいいのに、履歴書まで提出しなければならないのがそもそも年齢で切る事が前提なのだ。

(ちなみに、ヘッドハンティング等の場合、職務経歴書だけでOKで、採用が決まった時に本人確認等で履歴書的なモノを提出するだけ)

 

そんな中、表題の通り、なんと企業の採用時の年齢差別を逆手にとって、採用サイトを作った会社のCMが流れ始めた。これが広告倫理を通ったのが信じられない。これだけ人手不足(しかし中年以上あまり)とも言われるなか、20代、とはっきり年齢までいっている。採用の世界では今まで30代前半まではまだ若手と言われていたのにも関わらず、だ。

 

問題は企業側、採用サイトの開き直りだ。我々産業界は年齢差別してますよ、と、公に認める事になったのだ。これは社会に大きなインパクトをもたらす事になる。このCMは大量に流れている。社会に問題意識を持って日々生きている人で無い限り、通常脳内に記憶として

有望な20代採用、若手採用

という言葉が刷り込まれる。これは意識的にも無意識でも、

有望な若手=20代

という同義にもなる。つまり、今までチャンスがまだある、と思っていた30代の潜在意識にも「もう、若く無いし、需要ないからおしまいだ」と思ってしまいがちになってしまうのだ。誰にも言われたわけでなくても、意識に刷り込まれていく。この怖さはその昔、誰が正しいと言ったわけでも無いのに、女性が30歳前までに結婚しないと終わり、と信じていてたのと同じだ。多様性無視するようなテレビ(特に日テレ)系などが頻繁に30歳過ぎの独身女性をバカにした事でも刷り込みは始まるのだ。

 

日本は労働においては既に4分の1は外国人でまかなっており、外国人労働者抜きでは社会が回らない。そんな中、同じ日本人を年齢で差別して切り捨てる。

雇う側はほぼ株式会社だろう。会社は利潤の追求、株主への還元が主な仕事であるのは確かであるが、それも商売できる社会があってこそ。雇う側は確かに立場が強いから選ぶ立場ではある。しかし、人手不足の中、日本人を豊かにしろ、とは言わないまでも、日本人を年齢差別して貧困層を増やす事に未来があるのだろうか。今は毎月定給を貰える人達だって初めてがあったはず。それは年齢等のタイミングもあっただろうが、「新人」という点で、年齢はほぼ関係ない。物覚え悪い人、ITに弱い人等は正直年齢関係無い。

 

こんなCMが許される日本。最近の様々な事件を見ていても、日本人は日本人を追い込んで人口減や犯罪者にさせているとしか思えない。

 

ま、私も現在絶賛年齢差別受け中なんですけどね。