底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

伊藤詩織さん事件の事をハニートラップと言う人

交渉事のビジネスをしたことが無いのかなぁ、と思うのよ。下請け等の弱い立場として。

会議で決まった事を議事録で関係者全員に送ったとしても「見ていない」って言って変更を強要するクライアントもいるのよ。金を払う立場だから強い。とはいえ、そんな要求をただで受けまくっていたらプロジェクトが赤になってしまう。そこで上司はしっかり交渉しないとならない。腹を割って。そしてお互いの為にレコーダーで会議を録音したりする等の決め事の証拠を残すようにする。会社のプロジェクトだったここまでするのだ。

吉本興業の宮迫氏の反社会的勢力との問題を思い出して欲しい。会議室で吉本の社長は「お前ら、録音とかしていないよな」と確認してから話した。ビジネスとはそういうモノなのだ。ただ、芸人はそういう交渉をした事が無いから信頼とか昔からの恩義とか言ったりする。同じような事が出来るのが現在流行っている就活セクハラだ。学生もまだ人間がそこまで醜悪だと知らない事が多く、先輩の言う事を聞いていたらレイプされてしまった、しかも客観的な証拠を残していないという事もあるし、問題を起こしたら自分がその後どこにも就職出来ないかも、という事で泣き寝入りという事になりがち。

 

では伊藤詩織さんの例はどうだろうか。彼女はアメリカの就職が決まっていた程の優秀な社会人であるだけでなく、個人事業主として独立出来る程の能力がある人だ。結果にコミットする為にあらゆるシュミレーションをして準備する。それが自身でハニートラップをしかけるのであれば、あらかじめレコーダーだけでなく、プロのフォロワーも用意して後追いさせて客観的な証拠を確保して交渉して求める結果を得るだろう。それが仕事(ハニートラップ)求める結果だからだ。これは東国原氏がひっかかったようなハニートラップとは違う。政治家や権力者を立場から引きずり落とすには実際の行為は必要無く、噂となる行動があればいいだけ。疑わしくは世間の評判。なので二人っきりでホテルの部屋で2時間お話さえ出来れば入り出の時間がわかる客観的証拠があればそれでいい。しかし、今回はそういうお話ではない。山口氏を引きずり降ろす事によって彼女が得るモノが無い。なので、やはり彼女には自分の身体を使うリスク相応のメリットが必要となる。

 

今言論のリーダーとしての確固たる立場になっているじゃないか、これが目的だ、という人もいるかもしれないがそれにしてもそれを仕掛けるのであれば刑事でも民事でも勝てる証拠が無いのは仕事としてお粗末でビジネスマンではない学生や芸人レベルだ。その状況で刑事事件にならず民事で今のようになって、その後控訴もされる。その間も世間知らずの人達や男性優位社会に慣れきった人達からの今後もずっと酷い誹謗中傷を受け続けるわけだ。顔もバレているから日本で気軽に食事も出来ない。そんなリスクまでシュミレーションした上でハニートラップをしかけて得られるメリットってなんだろうか。

つまり、伊藤詩織さんがハニートラップを仕掛けたのだ、と主張する人はそんなデメリットまで想定した上で今の状況とその後明るい未来がある(儲けて有名人になれる等)と彼女が考えて行動した、と言っているのだ。なのにも関わらず確固たる証拠が無いと?私が彼女ならプロのフォロワー(追跡者)に決定的な写真を撮らせ、その人は偶然ホテルにいた等の嘘を付かせる。録音機も複数用意して常時録音しておく。難しい話だから聞き逃さないように用意した等いくらでも嘘つける。

 

今の伊藤詩織さんの置かれた立場、状況は彼女がコントロール出来る範囲を越えている。それは彼女がハニートラップという戦術を選んだ結果だとしたらあまりにも稚拙。いうなれば、素人が美人局で金を巻き上げようとしたらあまりにも証拠がなさすぎて逆に脅迫で訴えられて逮捕されるようなレベル。そしてもっと言えば、山口氏とは安倍総理とも仲の良い大物。ここにいきなり本番を持ってくるような事だってしない。事前に同じようなハニートラップを別の人で行い、それによっていい結果を得たという成功体験が必要だ。そしてその時の実践を問題点を潰していよいよ山口氏、とトラップをかけるのがビジネスとしての筋。

 

つまり、現実の仕事としてフリーランスがハニートラップを戦術として取り入れたにしては結果があまりにもアンコントロールかつ稚拙なのだ。

 

となると、必然的にハニートラップ説は消える。それだけの話。他人を誹謗中傷する前にもっと社会を勉強して欲しい。