底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

コロナ禍でわかる自公連立政権の政局政策のすごさ

今までもすごいから戦後日本を統治してきたんだけど。それをゆるい独裁という風に海外ジャーナリストで言ったいた人もいて。私も日本は独裁国家だと思っている。その独裁を倒そうと思えば簡単。野党が一つになればいいんだから。でもならない。それが独裁国家の証拠。しかし、どのような事をしてそうなってきたか、現在も保っているのか、はしっかり広く社会を見ていないと中産階級以下の人達には気付きにくかった。しかし、コロナ禍では直接庶民に影響のある政局政策がなされる事でさすがに誰でもわかりやすくなった。その例としてすごいなぁ、と思ったのが休業給付金。

 

ご存知の通り、自民は大手から小規模事業者まで昔は押さえていたのだが、より金が手に入り票につながる、実社会での支配階級を指示母体としてきた。そうなると小規模事業者がおろそかになる。そこで家族経営のような事業者の指示の多い創価学会を母体とする公明党と手を組んだ。これが自公連立政権。

で、今回飲食店に1日6万円が支給される。これは家賃が0~30万以下の店であれば完全休業して原価をかけなければ最大理論値180万の利益。ここに妻や子供を臨時雇用扱い(もしくはゴーストバイト)を雇用調整助成金を請求すれば100%出るので、二人雇用とすれば最大1日1万5千円×2=3万。一月90万。合計最大理論値270万の利益となる。この利益を小規模飲食店が実際の売上で稼ごうとすると約2700万の売上が月に必用。単純計算で1日90万の売上。昼20万で客単1000円、夜70万で客単5000円とすると、昼200人、夜140人回転させないとならない。夫婦+バイト一人、家賃30万だと客席はよくて30席ぐらいか。つまり実際は無理な売上なのだ。

なので休業して丸儲け。コロナが収まればGo toで(食材調査視察の為)という理由で旅行したり、搬送用として車購入して経費扱いすればいいのだ。これで公明党支持者は救われる。指示していなかった人はこのボロ儲けに恩を感じて学会員になるかもしれないし、少なくとも現与党に票は入れるだろう。

救われない大手飲食店からすればふざけるな、だ。クラブやライブハウスなどのビジネスモデルが違う飲食店もだ。これはこの層の人達が現与党の支持者ではないからだ。支持者になれば金配るぞ?という暗黙の脅しがあるのだ。

 

面白いのが後出しで出たイベント中止に2500万円だ。予算は最初から決まっているので、後は割り振りの話。この金額は先の小規模飲食店の利益と酷似している。つまり、支持クラスターの個のまとまりに、約2500万円前後利益が出るような準備金がある、という事。次の衆院選および今後も自公連立に票を入れ、その他諸々の便宜を図る確約があればそれを配るぞ、という密約ともとれる。前回緊急事態宣言をしているのだからイベント中止の事で苦しくなる事など政府はわかっているのだ。後出しで急に決まったのは何か取り決めがあったと考えるのが普通。

 

これで金で票、地盤固めは完璧。こういった政局政策で自民党は戦後バグ期間以外は日本を支配してきたのだ。組織票にならない苦しくて困っている人間などどうでもいいのだ。

 

余談だが、こういった現政権の独裁政策を知っていて利用する人間もいる。それが一度政治家を経験して裏の世界を熟知した渡邉美樹率いるワタミグループだ。去年から一気に「唐揚げの天才」という小規模(ほんとに小規模!)店舗を都内に急拡大していたのだ。普通の報道では「コロナ禍でテイクアウトに特化した(一部の店では店内飲食可能)唐揚専門店を作った」と言える。しかし、真の目的はそこだけではない。

大手チェーン店、特に酒が伴う店の売上減は深刻だ。しかし大手だからこその大量仕入れにより原価はかなり安くできる。それが安く無いように見せかける為にテリー伊藤の卵焼きというブランドイメージを付けた。で、2坪~10坪以下レベルの店をバンバン作る事で先の計算の通り1店舗2500万程の利益となるのだ。初期投資の少なく、まだ新店舗であるからあげ専門店からすると莫大な利益だ。店舗数×2500万の利益と考えたらすごい事になる。しかも基本狭小地だから家賃も安い。ワタミグループなら雇用調整助成金を更にゲットする為に隣接の店にヘルプに行く人員も加算してそう(実際にはワンオペでも)。そうなると更に利益はUPする。日本政府のやり方を熟知してそれを利用して儲けるという、元政治家ならではのやり方。しかし忘れてはいけないのだこのお金は税金という事。このような品性を疑うようなやり方が本来は許されてはならない。ま、真意はわからないが、コロナ禍で店を急拡大しているのはここだけだし、給付金でどこよりも儲かるのも事実。

 

昔、中国が腐敗していた時に賄賂が当たり前的な報道があって。それが独裁政権の腐敗のように言われていた。旧ソ連も同じ。しかし、日本は政治家個人はもとより、与党として支持クラスターに優先的に金をまき、そして回収するという事をずっとやってきて独裁政権を樹立しているのだ。もちろん、今回の大手飲食店やその他ビジネスモデルの違う飲食店を救えなかったように、予算にも限りがある。なので東日本大震災のように、有事は浮動票が流れやすい為、野党が一つになれば十分現与党を倒す事は出来るだろう。

しかし、そうはならない。なぜなら野党は国を、民を良くしたいわけじゃない。自分が職を失わず先生で居られる事の方が最優先だからだ。変に責任を負って仕事が増えても今の日本の庶民がそれを評価できる程の政治リテラシーが無い。旧民主党時代の仕分けで明らかになった税金の無駄使い組織がことごとく復活していても何も感じないのがいい例だ。野党が一つになって与党を倒し、社会に変化をもたらすという事を受け入れる土壌が無いのだ。与党である大阪都構想が何度やっても勝てないのがいい例。

 

現在ネットではテレビとは真逆に現政府を批判する意見が飛び交っているが、それは政府だけのせいではない。もちろん、一つにならない野党のせいだけでもない。変化を受け止めて現在と未来を線でつなぐ事が出来ない有権者が一番の功罪だ、と思う。今の自分達だけが儲かればいい、楽すればいいという人間の集合体が強すぎるのだ。

 

という事で、次回の選挙は本来なら政権交代の最大のチャンスだが、以上の例のように様々な政局政策によって自公連立政権がそのまま与党だろうなぁ、と。ほんと、独裁者って頭いい。