底辺の見方、上からの見方

日本社会の底辺層のモノの見方、ちょっと上の層のモノの見方のお勉強

日本郵政グループの非正規との待遇格差是正はまだ中途半端

ネット記事では「『同一労働同一賃金』を曲解した暴挙」と言われている今回の決定。私はむしろまだ差がある事の方が不思議だ。

正社員はその名の通り、会社の一員だ。会社の方針や営業益等にも責任がある。会社を背負う立場だ。非正規は本来その間の作業を埋める立場の人達で、正社員と同じ労働をするのは意味が無い。時短等の本人の働き方に応じた柔軟な採用であれば問題無いが、往々にして企業側がコスト削減に使うのが問題であり、労働者の人生をしっかり考えた採用をしない企業のモラルの問題が大きい。

で、今回の郵政グループの決定だが。

 

・住居手当……転居を伴い転勤がない正社員への支給を廃止。非正規社員には従来通り支給せず。

・年末年始勤務手当……年末手当を廃止。年始手当は正社員・非正規社員ともに支給。

・寒冷地手当……支給額を削減。非正規社員には従来通り支給せず。
・隔遠地手当……支給額を削減。非正規社員には従来通り支給せず。
・扶養手当……今後も継続して協議する。

 

住居手当をどう考えるか、だ。これが社員への福利厚生なのであれば継続が必要だと思うのだが、転勤が無い正社員まで支給するのは手当が厚すぎるともいえる。

年末年始勤務手当は同一労働なのであればともに支給は当たり前。

寒冷地手当は同一労働なのであれば非正規にも支給すべきだ。

遠隔地手当も同上。

扶養手当については正社員への福利厚生なのであれば非正規は無くても構わないのでは。

 

これは正社員と非正規の労働をしっかりわけていない、つまり労働層のコストカットの為に非正規を使っている企業の典型的な例であり、業務効率が著しく悪い場合が多い。そりゃそうだ。非正規で十分な仕事は非正規で。正社員は正社員でしか出来ない仕事。マネジメント層はマネジメントを。そうしたヒエラルキーがあるからこそ、会社は効率良くまわるのだ。労働層を奴隷のように考えているからその中で正社員、非正規などとどんぐりの背比べ的な差を付けたくなるバカ達が生まれてしまうのだ。本来の組織としておかしい事に気が付かない。正社員なのであればその組織も変える義務があるのに、正社員として非正規よりも得をしようとする意識しかないから使えない人材であり、ずっと労働層なのだ。

 

そんな会社だから、アルバイト募集の中に「正社員への登用もありえます」的な記載をするのだ。アルバイトは本来働き方であり、業務内容。正社員を餌にするなんて、それは非正規と同一労働だが賃金が違う、という差別主義である、労働層を下に見ている経営陣の発想ともいえる。必要であれば正社員を雇うか、もしくは普通にアルバイトからスカウトすればいいだけで、わざわざアルバイト募集の記事に「登用もありえまっせ」なんて書く必要はないはず。

 

最下層の労働層が全員バカだと思ったら大間違いだ。とはいえ、私が現在最下層である事には変わらないが・・・(泣)。